「日本年金機構」を名乗る怪しいメールや電話、そして封筒まで──最近、このような年金詐欺が急増しています。
「年金の返金手続きはこちら」「未納があります」などと不安を煽り、個人情報やお金をだまし取る悪質な手口が横行中。
この記事では、実際に届いた詐欺メールや封筒の例から、本物との見分け方、もし開いてしまった場合の対処法まで、徹底的に解説します。
- 年金機構を名乗るメール・電話・封筒は詐欺が多く、即時の判断が大切。
- 本物との違いを見極め、個人情報は絶対に教えないことが基本。
- 被害に遭ってもすぐに相談・通報すれば、被害の拡大を防げる。
大切な年金と個人情報を守るために、ぜひ最後まで読んで冷静な判断力を身につけてくださいね。
年金機構を装った詐欺が急増中!電話・メール・封筒に要注意

年金機構を装った詐欺が急増中!電話・メール・封筒に要注意です。
最近、「日本年金機構」を装った詐欺が本当に多くなってきました。
「電話がきた」「メールが届いた」「封筒がポストに入っていた」…そんな経験をした人も少なくありません。
なかには実際にクリックしてしまった、電話で個人情報を答えてしまった、という被害も出ています。
ここでは、そういった詐欺がどんな手口で仕掛けられているのか、実際のパターンを交えて紹介していきます。
①実在しない部署名や肩書きを名乗る手口
もっともよくあるのが、「日本年金機構 返金管理部」「特別年金課」「厚生年金特別返金センター」など、実在しない部署名を名乗る詐欺です。
電話で「あなたの年金に過払いがある」「未払いの補助金がある」と言ってきますが、そんな部署は日本年金機構には存在しません。
あたかも公的な機関を装って信用させる手口なので、年配の方ほど信じてしまいやすいのが特徴です。
聞き慣れない肩書きや部署名を名乗られたら、一度ネットで検索してみるのがおすすめです。
出てこなければ、ほぼ間違いなく詐欺です。
②年金の払戻金や補助金を装う内容
「過払い分の年金を返金いたします」「特別給付金が発生しています」というような文言は、詐欺のテンプレです。
日本年金機構がこうした連絡を行う場合は、必ず「本人限定受取郵便」などの方法で行い、電話やメールで直接知らせることはありません。
それなのに、「手続きはこちらのリンクから」「今すぐ返金に応じてください」など、急かすような表現があれば、それは危険信号です。
実際に「受け取れるお金がある」と聞くと、焦ってしまう人も多いですが、年金関連で“急ぐ必要のある返金”は基本的に存在しません。
冷静になって、一度立ち止まることが大切です。
③リンクや口座番号を求める詐欺メール
年金詐欺のメールでは、次のような内容が多く確認されています:
- 「こちらのリンクから返金申請を行ってください」
- 「マイナポータルにログインして手続きを完了してください」
- 「指定口座に振込をお願いします」
これらのメールは、一見すると本物に見えるようなロゴや署名を使っていますが、ドメイン名や送信元がよく見るとおかしいことが多いです。
クリックすると、偽サイトに飛ばされてログイン情報や口座情報を抜き取られる仕組みになっています。
メールでリンクを押させるパターンは非常に危険ですので、「自分から検索して公式サイトにアクセスする」という習慣を持ちましょう。
④SMSや電話番号検索で発覚するパターンも
最近では、SMS(ショートメッセージ)で「年金に関する重要なお知らせ」と書かれた詐欺メッセージが増えています。
リンク付きで「確認はこちら」などと誘導してくるのが特徴で、クリックすると個人情報を抜き取られる危険があります。
また、「050〜」や「0120〜」からかかってきた電話番号をネットで検索すると、詐欺と報告されているケースも。
怪しいと思ったら、すぐに電話番号検索サイトなどで確認しましょう。
「電話が来た=信頼できる」ではなく、「疑って確認する」が今の時代のスタンダードです。
実際に届いた詐欺メール・封筒・電話の例をチェック
実際に届いた詐欺メール・封筒・電話の例をチェックしてみましょう。
ここでは、実際に報告されている詐欺の手口をもとに、読者の方が遭遇するかもしれない具体例をご紹介します。
①差出人:年金機構特別窓口など存在しない名称
最近よく報告されているのが、「日本年金機構 特別返金窓口」「年金受給者支援課」といった、実在しない部署名を名乗る封書やメールです。
見た目は公的な文書のように装っていて、差出人の住所もそれっぽい表記になっていることが多いです。
しかし、日本年金機構の正式な部署にはそのような名称は存在しません。
中には「国民年金資金返還部」や「厚生年金再精算センター」など、いかにも本物らしい名前を使う例も。
年金機構が「個別の返金案内」をこうした部署から直接送ることは絶対にないので、まずは疑ってかかりましょう。
②不審な封筒に「至急開封」「重要書類」など
ポストに届いた封筒に、「重要書類」「至急開封」「返金通知在中」などと印字されていたら要注意です。
一見すると行政からの通知のように見せかけていますが、差出人や住所をよく見ると曖昧だったり、実在しない名前だったりします。
中身は「特別還付金の手続きについて」などと書かれており、QRコードやURLで手続きを促す文面が多いです。
封筒には「開封後は本人確認が必要です」といった、焦らせるような文言が記載されていることもあります。
落ち着いて中身を読み、差出人の正式名称と連絡先を必ず確認してください。
③「未払い金があります」と不安を煽る電話
「年金の支払いに未納があります」「受給資格に不備があり返金が必要です」といった電話が突然かかってくるケースもあります。
このような電話は高齢者を特に狙っており、焦らせて口座番号やマイナンバーを聞き出そうとします。
中には「今日中に対応しないと受給資格を失います」と脅すような内容も。
電話をかけてきた番号を控え、いったん通話を切ってから日本年金機構の公式窓口(0570-05-1165)に確認しましょう。
本物なら、折り返し確認しても問題はないはずです。
④詐欺サイトのURL付きメールやSMSに注意
最近の詐欺メールはかなり巧妙で、件名も「【重要】年金支払いに関するご案内」「年金受給者の方へ重要なお知らせ」など、本物とそっくりです。
本文には「返金申請はこちら」「確認のためログインしてください」などのリンクが記載されており、クリックすると偽サイトに誘導されます。
サイトのURLが「.gov」「.go.jp」などの公的ドメインでなければ、基本的に偽物と判断して問題ありません。
見慣れないドメインや、記号が混ざった怪しいURLには絶対にアクセスしないようにしましょう。
SMSで届いた短縮URLも同様に危険です。信頼できる情報源以外のリンクはすべて無視するのが安全です。
これは本物?年金機構からの正しい連絡の見分け方

これは本物?年金機構からの正しい連絡の見分け方を解説します。
「これは本物?それとも詐欺?」と迷ったとき、すぐに確認できるポイントをおさえておきましょう。
①本物のメールアドレスと封筒の特徴
日本年金機構からの公式メールは、以下のようなドメインで送られてきます:
- 「@nenkin.go.jp」
- 「@ml.nenkin.go.jp」(メルマガや通知)
これ以外のドメイン(たとえば「@yahoo」「@info-jp」など)から来たメールは、まず詐欺を疑ってください。
封筒についても、日本年金機構からの郵送物は「日本年金機構」名義が明記され、差出人住所は以下のいずれかです:
- 〒168-8505 東京都杉並区高井戸西3-5-24
- 各地域事務センター(○○年金事務所など)
さらに、正式な封筒には「本人限定受取郵便」「特定記録郵便」などの記載があることが多く、個人情報保護の観点から普通郵便で突然送ることはありません。
②日本年金機構が絶対にしないこと一覧
日本年金機構は、以下のようなことは**絶対に行いません**:
- 口座番号や暗証番号を電話で聞く
- リンク付きのSMSやメールで個別の返金案内
- 電話で「今すぐ手続きを」と急かす
- LINEやSNSのDMで連絡をする
- 不審なフリーダイヤルからの一方的な電話
このような連絡が来た場合、100%詐欺だと判断して問題ありません。
とくに「急がせる」「今すぐ決断させる」ような内容は、詐欺の特徴です。
③本物サイトのURLや電子署名の見方
年金機構の公式サイトは、常に以下のドメインから始まります:
- https://www.nenkin.go.jp
これ以外のドメイン(「.com」「.jp.net」「-secure」などを含むもの)は偽サイトの可能性が高いです。
また、最近の詐欺メールでは「電子署名」を偽装する例もありますが、正規の署名はMicrosoft OutlookやGmailで認証マークが出ることもあります。
信頼できるメールには鍵マークや「この送信者は認証済み」などの表記があるので、参考にしてみてください。
④電話が来たときの確認手順と断り方
電話がかかってきた場合は、まず以下を確認しましょう:
- 「どこの部署ですか?正式名称を教えてください」
- 「そちらの代表番号は?」
- 「後ほど折り返します」と言って一旦切る
正規の年金機構職員であれば、折り返しの要望を断ることはありません。
代表番号(0570-05-1165)に自分でかけて、「このような連絡があった」と伝えることで、確認が可能です。
また、電話の内容はできるだけ録音・メモをとっておきましょう。
不安があるときは、迷わず電話を切って大丈夫です。
年金詐欺に騙されない!5つの自衛ルール
年金詐欺に騙されない!5つの自衛ルールを紹介します。
どんなに巧妙な詐欺でも、「やらない」と決めておくだけで回避できるものばかり。日常でできる具体的なルールを5つご紹介します。
①メール・SMSのリンクは絶対に開かない
まず徹底してほしいのが、「不明な差出人のメールやSMSは開かない」こと。
「こちらから返金手続きを」と書かれていても、リンクは一切クリックせず、自分で検索して公式サイトにアクセスしてください。
詐欺サイトは、見た目が本物そっくりでもURLが異なるのが特徴です。
たとえば「.go.jp」ではなく「.jp.net」「.xyz」などが含まれていたら、それは偽サイトの可能性が高いです。
リンクはすべて無視・削除。迷ったときはクリックせずに放置する。それが鉄則です。
②口座番号・暗証番号は誰にも伝えない
日本年金機構が、電話やメールで口座番号・暗証番号・マイナンバーを聞いてくることは一切ありません。
聞かれた時点で詐欺確定ですので、「個人情報はお伝えできません」とはっきり断ってください。
たとえ「本人確認のためです」と言われても、情報を渡す必要はありません。
電話やSMSでは一切の個人情報を伝えない。これを徹底するだけで、ほとんどの詐欺は防げます。
③電話は必ず折り返す or 一旦切る
突然の電話で「返金があります」「支払いが必要です」と言われても、まずは冷静に。
相手が本物でも詐欺でも、いったん電話を切ってから折り返すのが基本です。
代表番号(0570-05-1165)など、正規の連絡先に自分でかけ直して確認するのが最も安全な方法です。
「このまま手続きを」などと言ってくる相手は詐欺と思って問題ありません。
あなたのペースで、確認しながら動いてくださいね。
④封筒は差出人と文面を冷静に確認
封筒が届いたときは、まず「差出人」と「送り先住所」に注目。
公的機関なら必ず正式な団体名が記載されています。「特別事務所」や「返金センター」などの曖昧な表記は疑ってください。
中身に「急いで手続きを」などの言葉が書かれていたら、それも詐欺の可能性があります。
すぐに誰かに相談したり、消費者センターに聞いてみるのも効果的です。
「急かされて動く」が詐欺の思うツボ。落ち着いて確認を。
⑤高齢の家族とも対策を共有しておく
年金詐欺は特に高齢者が狙われやすいため、家族全体で対策を共有することが大切です。
両親や祖父母に「こういう詐欺があるから、何か届いたらまず見せてね」と伝えておきましょう。
「電話きたら出ないで、こっちにかけ直して」と言っておくだけでも安心感が違います。
一人で判断させない、家族で一緒に守る。それが一番の防衛策になります。
詐欺は「知っているかどうか」で被害が分かれる時代。ぜひ身近な人と共有してくださいね。
詐欺メールを開いてしまったら?今すぐやるべき対処法

詐欺メールを開いてしまったら?今すぐやるべき対処法をまとめました。
うっかり詐欺メールを開いてしまった…。そんなとき、焦る気持ちはとてもよくわかります。
でも、大丈夫。正しく対処すれば、被害を防げる可能性は十分あります。
①リンクを開いても情報を入力しなければ大丈夫
まず安心してほしいのは、メールを開いただけ、リンクをクリックしただけでは基本的に問題はありません。
重要なのは「個人情報やログイン情報などを入力したかどうか」です。
ただし、リンク先がフィッシングサイトだった場合、偽のページが保存されたり、履歴が残ることもあります。
履歴やCookieを一度クリアしておくと安心です(スマホでも設定から可能)。
そして、次に似たメールが来たときに備えて、警戒心を持つことが一番の予防になります。
②入力してしまったらすぐに該当機関へ連絡
万が一、以下のような情報を入力してしまった場合は、すぐに対応が必要です:
- 年金番号、基礎年金番号
- マイナンバー
- 銀行口座やクレジットカード番号
- ログインIDやパスワード
まずは該当するサービス(銀行、クレカ、マイナンバーポータルなど)に連絡して、利用停止やパスワード変更を行ってください。
次に、消費者ホットライン(188)や日本年金機構に連絡し、事情を説明しておきましょう。
情報が悪用される前に手を打てば、被害は最小限で済みます。
③不正利用のチェックとパスワード変更
フィッシングサイトにログイン情報を入力してしまった場合、そのまま使い続けるのは非常に危険です。
すぐにパスワードを変更し、登録しているサービス内で不審なアクセス履歴がないか確認してください。
とくに「他サイトと同じパスワードを使い回していた」場合は、そのすべてのパスワードを変更する必要があります。
不正ログインの兆候(知らない端末、アクセス元など)があれば、運営に連絡して一時停止をお願いしましょう。
セキュリティ対策は、「早さ」が一番の武器です。
④ウイルス感染が不安な場合の確認方法
ごく一部の詐欺メールでは、リンク先で「ウイルス」や「マルウェア」が自動ダウンロードされることもあります。
PCやスマホに以下のような兆候があれば、すぐにウイルススキャンを実施してください:
- 動作が極端に重くなった
- 勝手に広告が出る
- 見覚えのないアプリが増えている
無料のウイルス対策ソフトでもOKですし、キャリアショップやパソコン専門店でもチェックしてもらえます。
心配なら、誰かに相談しながら一緒に確認してみると安心ですよ。
もし被害にあったら?相談先と回復のステップ
もし被害にあったら?相談先と回復のステップについて解説します。
万が一、詐欺の被害に遭ってしまった場合でも、迅速な対応で被害を最小限に抑えることができます。
ここでは、実際にとるべき行動を順番にまとめています。
①消費者ホットライン(188)にすぐ相談
困ったときは、すぐに「188(いやや)」に電話しましょう。
この番号は、全国の消費生活センターにつながる共通ダイヤルで、詐欺・悪質商法・トラブル全般の相談に対応しています。
無料でアドバイスを受けられ、必要に応じて業者とのあっせん(交渉)もしてくれます。
メールを開いてしまった、口座番号を伝えてしまった…と気づいたら、すぐに連絡を。
早めの相談が、被害の拡大を防ぎます。
②フィッシング110番・年金機構にも通報
偽サイトやメールを見つけた場合は、フィッシング対策協議会の「フィッシング110番」に通報しましょう。
サイトURL・メールの内容・スクリーンショットがあると、対処も早くなります。
また、日本年金機構の公式サイトにも通報フォームがあります。
年金機構ネット窓口から「不審な連絡について報告する」を選んで、内容を報告できます。
報告件数が増えることで、詐欺業者の早期摘発にもつながります。
③詐欺に遭った場合の返金・法的手段
振り込んでしまったお金は、以下の方法で取り戻せる可能性があります:
- クレジットカード決済:カード会社に「チャージバック」を申請
- 銀行振込:銀行へ「振込詐欺救済法」に基づく被害申告
- 電子マネーなど:運営会社に払い戻し申請(ただし返金率は低い)
また、法的に対応する場合は、消費生活センターと連携して内容証明郵便を送る、弁護士に依頼して損害賠償請求を検討することも可能です。
泣き寝入りせず、動いてみることが大切です。
④警察への被害届と口座凍結の流れ
被害金額が大きい場合や、口座情報・個人情報を悪用された可能性がある場合は、警察へ被害届を提出しましょう。
その際には、以下の情報を持参するとスムーズです:
- 詐欺に関するメール・SMS・封筒・通話記録
- 振込先情報(口座名義、金融機関など)
- 時系列のやり取りの記録
口座が詐欺に使われていた場合、警察の要請により凍結され、二次被害の防止にもなります。
ためらわずに、被害の事実を伝えることが再発防止にもつながります。
まとめ|日本年金機構をかたる詐欺に冷静に対応しよう
この記事で紹介した詐欺対策ポイント |
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①年金機構を装う詐欺電話・メール・封筒に注意 |
②本物と偽物の見分け方を知る |
③リンクや個人情報は絶対に渡さない |
④不安なときは188など相談機関へ |
⑤万が一入力したら、すぐに対処と通報を |
日本年金機構を装う詐欺は、ますます巧妙になっています。
「本物そっくりなメール」や「それっぽい部署名」、さらには実物のような封筒まで使われているため、見分けがつきにくいのが現実です。
ですが、この記事で紹介したポイントを押さえておけば、冷静に判断して自分と家族を守ることができます。
焦らず、疑問に思ったら一呼吸おいて確認することが、詐欺被害を防ぐ第一歩です。